尾上菊之丞の日記

海ぶどう

2009.06.13

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今日は久しぶりに観世能楽堂に行き、浅見真州先生の「烏帽子折」を見物してきました。僕はこのお能を初めて見たのですが、子方を卒業する能楽師の世界では大人になるひとつの節目となる曲のようです。能の世界では、子供のころは「子方」と呼ばれ、義経など子方が演じる役が決まっています。そして「烏帽子折」の牛若丸を最後に子方としては出演しないようです。つまり卒業式のようなものでしょうか。物語も牛若丸が元服を決意し烏帽子折に源氏の左折れの烏帽子を所望するという、子方を卒業するにうってつけの演目です。現実の能楽師としての修行、師弟なり親子なりの思いが、演じている役の思いが重なり、とても感動的なものでした。日本舞踊の世界には子供役はいますが「子方」という限定された役割はありませんし、節目となる曲も厳格に定められてはいません。たとえば「連獅子」などある意味通じる部分があることもありますが、少し違うように思います。最後は牛若丸が盗賊たちをばったばったと斬り倒し、盗賊が仏倒しや前転するなどとても派手な演目で視覚的にも楽しめました。

夜は三軒茶屋の沖縄料理へ。めったに食べることがない食材を楽しみました。とくにお気に入りは海ぶどう。プチプチしながら、少し滑っとしていて、海の幸を堪能しました。


冬夏会

2009.06.07


冬夏会が終わりました。今回は清元「文屋」という曲を踊りました。この曲は歌舞伎の変化舞踊「六歌仙」文屋康秀が小野小町に恋をして通ってくるところに、官女が絡んでユーモラスな舞踊作品です。
7、8年前に衣裳を付けて踊ったことがありましたが、今回は素踊り。とても好きな作品のひとつですが、なかなか難しい踊りなのです。とてもユーモラスで砕けた作品ですが、面白く演じようとすると下品になったり、公家らしい格を保てなくなります。柔らかく、大きく踊ることができればと思って踊りましたがどこまで力を抜くことができたかなと・・・
文屋はこれからも何度も踊る機会があると思うので、更にさらに煮詰めていければと思います。

そして今日は「NINAGAWA十二夜」ロンドン凱旋公演の初日。天気に恵まれ、満員のお客様で埋め尽くされた新橋演舞場で初日の幕が開きました。6月は新橋演舞場、7月は大阪松竹座と2か月続きます。ロンドンでの熱気が蘇ってきました。


ドシャ降りの雨

2009.05.31


今日は上野の国立博物館横にある応挙館というところで、尾上博美さん主催の「博楽展」を観にいってきました。「八千代獅子」「雪」という地唄二題。どちらの曲も地唄の舞踊としては人気のある曲で、尾上流に限らず各流派で振りつけられている演目です。尾上流の若手の中でもとても意欲的な博美さんの舞踊会が昨年に続いて催されたことは僕にとってもとても嬉しいことで、お客様の温かい気持ちも手伝って、とても良い雰囲気の会場でした。
公演はとてもよかったのですが、外はまさにドシャ降り!会場に入るときは雨があがっていたのでうっかり傘を持たずに車から行ってしまい、終わった後はどうしようかと思いました。短時間で集中的に降ったので足元は川のように水が流れ、傘を借りて車まで行ったのですが全身びしょびしょ(苦笑)。こんなに濡れたのは記憶にないというほどにスーツが水に浸かりました。挙句の果ては車がタイヤ3分の1くらい水に使っていて、近寄ろうにも躊躇するほど。思い切ってジャンプしてみましたが、足はくるぶしの上まで水に浸かりました。びしょびしょになったので急いで帰宅→着替え。まさにやらずの雨でした。。。


東をどり開幕

2009.05.29

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今年も新橋演舞場にて新橋・東をどりの幕が無事に開きました。あいにくの天気でしたが賑やかな初日で華やかな舞台となりました。尾上流は序幕の「老松」が担当でした。ここ1,2年は今まで以上に新橋の花柳界、料亭総出で東をどりを盛り上げようとしています。芸だけでなく一流の料亭の料理を特別にお弁当にして提供したり、普段は味わうことができない催しになっていると思います。舞踊・長唄・清元の師匠連中も協力して少しでも新橋の東をどりが活気のあるものにできればと思います。
僕が子供時分は東をどりの季節になると町全体がお祭りのように賑やかになり、劇場に足を運ぶと、なにかしら楽しいことがあって、楽しみにしていたように思います。この不景気をふっとばせ!っていう感じですね(笑)。


日本舞踊協会

2009.05.26

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今日の写真は(社)日本舞踊協会事務局の城後さんです。隣に7月の新作公演のチラシの塊。新作公演の制作打ち合わせで協会事務局に行ってきました。そもそも舞踊協会は会員6000人、流派の数は120もある大所帯。城後さんをはじめ事務局の皆さんのおかげでひとつの団体として活動が出来る訳で正に縁の下の力持ちといったところです。


藤舎会

2009.05.19

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今日は国立劇場の文楽公演の楽屋を訪ね、鶴澤清介さんと豊竹咲甫大夫さんと来年のリサイタルで発表する新作の打ち合わせ。その他にも国立内で3本ほど打ち合わせを済ませ、お囃子の稽古へ向かいました。6月23日(火)に国立小劇場で四世藤舎呂船三十三回忌追善演奏会が開催され、「安達ヶ原」の小鼓を打ちます。師匠である六世藤舎呂船師に師事して30年。自分にとってもひとつの区切りと思い張り切って稽古しています。稽古場は神楽坂にあり、帰り道、駐車場を出て神楽坂の裏道を走っているとパッと目に入ってきたのが堂々と歩いていた田中傳左衛門さん。「おお~こんなところで!」と互いに驚きながら挨拶を交わし、行き先が近かったので助手席へ乗せて一緒に移動しました。銀座周辺ではよく出くわすのですが、いくら彼のご実家の近くとはいえ神楽坂の細い裏道で会うとは奇遇でした。
傳左衛門さんとは共に早生まれの同い年。彼の結婚式の二次会では司会まで務めました。楽しく会話をしながらの移動となりました!!


新作公演 記者発表

2009.05.14

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今日は7月に開催される、日本舞踊協会・第一回新作公演「古今舞踊抄」の記者発表が都内のホテルで開催されました。昨年まで創作舞踊劇場という名称で25年間続いてきた公演に一区切りつけ、舞踊協会全体で総力を挙げた新作公演を立ち上げました。あくまで古典に根ざした新作づくりを目指し、日本舞踊の魅力を伝えたいと思っています。僕は制作という立場で携わっています。他にも松本錦升(市川染五郎)さん、藤間蘭黄さんなどが制作業務をおこない、出演には市川團十郎さん、花柳寿南海さんをはじめとした大先輩から、若柳吉蔵さん、市川ぼたんさん、姉の紫など同年代の若手まで総勢43人。そうのうち実に10人以上が各流派の家元というまさに日本舞踊界の総力を挙げた公演になります。演出には今月末に三代目花柳寿楽を襲名される花柳錦之輔さんが勤めます。内容は、神代の時代から源氏物語、忠臣蔵の世界から江戸、明治、現代にいたるまで各時代の題材をとりあげ、日本舞踊ならではの美味しいとこどりの舞踊絵巻です。
是非ともチケットをお求めいただき、ご観覧いただけますようお願いいたします。
夜にはスタッフ会議も行われ、夜中の1時過ぎまで打ち合わせが続きました。
どうしても夜中までの打ち合わせが多くなるので体力的にしんどくなってきますが、なんとか頑張っていきたいと思います。
僕は出演はしませんがひとつよろしくお願いいたします!!


英哲さん、風雲の会の皆さんとの競演

2009.05.11


オーチャードホールでの英哲さん、風雲の会の皆さんとの競演「天真北斗」が終わりました。昨年9月の国立劇場での初演に比べ自分としてはひと練りできたかなと思っています。本当に楽しい一日でした。英哲さんとの舞台は、いつも新鮮で良い緊張感があり、とても学ぶところが沢山あります。今思えば、初めて共演させていただいた明治座での「伝統芸能の若き獅子たち」での出会いは僕にとって本当に大きなことだったと思います。次の機会が待ち遠しく楽しみでなりません。ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。


舞妓さんたち

2009.05.03

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しばらく京都に行ってました。
毎年5月に先斗町で開催される「鴨川をどり」の振付・稽古。
今回は舞妓さんたちの場面を振付ましたが、冒頭に舞妓さんたちが「おいでやす!おいでやす!」と言うところがあり、声を出す練習を劇場のベランダ部分から鴨川に向ってしている写真です。
20歳未満の舞妓さんがほとんどで、若くて初々しいかぎりです。
無事に初日が開き、東京に戻ってきました。
京都にいる間に少し体がなまっってしまっているので、8日に向けて、追い込まなければと思っています


弁慶の男舞

2009.04.21

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同級生の能楽師シテ方、坂井音隆さんとのツーショット!
今日は観世能楽堂にて能のお浚い会があり、舞囃子「安宅」を舞いました。
大鼓には亀井広忠さん、地謡を勤めてくださった坂井音隆さんをはじめ、助演の先生方にお世話になりつつ、無事に終えました。
舞踊の時とは少し違った緊張感の中、楽しくというか、心地よく舞わせていただきました。
「安宅」は歌舞伎で言うと勧進帳で、弁慶の舞ですから力強く、大きく舞いたいと思っていましたが・・・
大きく、大胆に舞えたらというのが今後のひとつの課題でしょうか。
また来年に向けてコツコツ勉強したいと思います!


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